小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の特徴と来院時の注意点

 

 

来 院 時 の 注 意 点

 

小児では発熱早期に除外診断を受けることが重要です。小児クリニックへお電話のうえ来院予約をお願い致します。

別待合室(陰圧で使用毎に消毒致します)でご案内いたします。

相談したい場合は、横浜市コールセンター(045-550-5530)のフローチャート(ここをクリック)を参照してください。

栄区および周辺にお住まいのお子さんに37.0度以上が2日以上または

37.5度以上の発熱が1日以上あったら

当小児クリニックへTEL(045-898-3456)して受診予約をとることがお勧めです。

(午前8時30分から電話受付け致します)(マスク着用のうえ来院をお願い致します)

第5〜7派では、変異株の市中感染により、ワクチンを接種していない若年層・小児での

感染者割合と感染者絶対数の増加が明らかとなっており、症状と経過によっては、当院では、

唾液採取可能な主に5歳以上(唾液が取れれば4歳でも可)の小児や若年者(同居成人家族も有症なら可)については、

COVID-19に対するPCR行政検査を行うことが可能です

結果は翌日〜翌々日(3日以内)に判明し、陽性の場合には感染症法により

届け出を行う必要が生じます。以降は感染者として保健センターの指示に従う形となります。

 

 

 

 

小 児 の 特 徴

 

 

@小児では軽症例がほとんどで、重症化する方はごくわずかです

A症状は、お咳、発熱、だるさ、痰が多く症例にみられ、喉の痛み、下痢、嘔吐、吐き気、腹痛、頭痛、鼻汁、鼻づまり、嗅覚や味覚障害はあったりなかったりです。

Bこれらは多くは軽い症状で数日の安静で、普通に生活ができるようになりますが、一定程度の周囲への感染のリスクがあります。また子どもは年齢、症状により感染させやすさに違いがあるのも特徴です。

Cしかし祖父母が孫から感染を受けると高齢者なので重症化しやすく死亡率も高いというのが問題なのです。

D最近ではCOVID-19感染小児の一部に発熱や湿疹、手足の腫れや目が充血するなどの川崎病に類似した炎症症状がみられる例も報告されています。

E解熱剤の種類と使い方で、子どもでも、成人でも重症化や死亡率に差がでることも指摘されてます。細かい指導がご希望の方は、受診時やワクチン接種・健診(いずれも不要不急ではありません)の時にご相談ください。

 

 

注  意  点

 

これまでは新型ということで当初は他の疾患との区別がPCR検査をしないとつきにくく、「37.5度以上の発熱が4日以上続く」場合が受診の目安でしたが、その後の症例の蓄積でCOVID-19の病像が明らかとなり、小児では早期の症状経過でCOVID-19以外の感染症や川崎病などの除外診断を受けることができ、早期受診が他の疾患の合併症を回避するうえで重要となってきております。特に川崎病は早い受診による診断が心臓の合併症を回避する決め手となります。COVID-19感染小児の一部に川崎病に類似した例も報告されており、小児科専門医の早い段階での診察が望まれます。

 

従って、今後、小児では症状がでて4日間を待たずに、症状の早い段階で、受診(お電話のうえ来院)して症状・経過に対する、COVID-19以外の疾患との除外診断を受けることがお勧めです。仮にCOVID-19に近い病像であった場合には、子どもは年齢、症状により感染させやすさに違いがあるので、適切な指導を受けることが必要となります。これが感染拡大の温床となる患者クラスター形成を防ぐ上で重要です。

 

その際には高齢者も受診する「内科・小児科」や「耳鼻咽喉科」ではなく小児専門の「小児科クリニック」を早く受診(お電話のうえ来院)することが重症者をださない注意点となります。

 

一般的な風邪症状(お咳、発熱または下痢、嘔吐、鼻汁)がお子さんにあって、保育園が預かってくれないときは、祖父母にお子さんを一時、預ってもらうご家庭が多いかと思いますが、今回の日本のCOVID-19流行が収まるまで、あるいはワクチンが普及するまでは、まず祖父母に会わないように気をつけ、そして小児科専門医のいる小児科クリニックの早期受診(お電話のうえ来院)により、除外診断を受け、場合によっては年齢や症状にあった適切な行動様式の指導を受けることが大事です。

 

お子さんに発熱などの風邪のような症状があったら、特に栄区(患者数はここをクリック)では、99%以上は他の疾患ですので、早い診断と治療をうけることに、合併症を回避するうえでの非常に高い有益性があります。

 

しかしながら、第5〜7派では、変異株の流行により、ワクチンを接種していない若年層・小児での感染者割合と感染者絶対数の増加が明らかとなっており、症状と経過によっては、当院では、唾液採取可能な主に5歳以上(唾液が取れれば4歳でも可)の小児や若年者については、COVID-19に対するPCR行政検査を行うこともあります結果は翌日に判明し、陽性の場合には感染症法により届け出を行う必要が生じます。以降は感染者として保健所の指示に従う形となります。

 

 

 

新型コロナワクチンについて

 

新型コロナウイルス感染症を克服するには、有効な抗体を産生できるワクチンとそのワクチンにより国民の70%以上が抗体を保有することが必要(実効再生産数が1未満となります)となりますので、下記の新型コロナワクチンの場合には現時点ではそのメリット(個人および社会的有効性)がデメリット(副反応)を大きく上回りますのでより多くの国民に接種していただくことが重要です。

 

新型コロナワクチンの有効性・安全性について

 

ファイザー社の新型コロナワクチンについて

 

モデルナ社の新型コロナワクチンについて

 

   新型コロナワクチンの変異株7種に対する中和抗体について

 

   新型コロナワクチン3・4回目(追加接種)を当院でも2月から開始しております

 

 

 

 

5歳から10代の小児・若年層の新型コロナウイルス感染症とワクチン接種について(私見)

 

 

疫学的にはウイルスは生き残るためにヒトの弱点をつく形で変異していきます。変異により実効再生産数が上がり、即ち、従来株では集団免疫獲得率が70%で実効再生産数が1未満になったものが、変異株では獲得率90%以上でやっと1未満となるかどうかという状況に近付きつつあります。これは小児・若年層のワクチン接種の必要性が大きくなりつつあることを意味しております。第5〜7派では、すでにワクチンを接種していない小児・若年層・での感染者割合と感染者絶対数の増加が明らかとなっており、第6〜7波でもさらに高率に小児・若年層の感染割合となっており、小児・若年層でも絶対数が増えれば合併症(昨年の欧州で報告された「小児多系統炎症性症候群※」のケースなど)や後遺症(生活の質の低下、不安、抑うつ、睡眠障害や男性不妊)が若年層・小児でも軽視できなくなり、今後の発育に影響することが疫学的に予想されます。小児・若年層の感染者が増加すれば、また新たな変異株の発生の確率も上がることにもなります。

また成人と比較して小児の呼吸不全例は比較的まれですが、オミクロン株流行以降は小児に特有の疾患であるクループ症候群、熱性けいれんが増加し、脳症、心筋炎などの重症例も報告されています。

 

2022年3月から5歳〜11歳のコロナワクチン接種が開始されております。小児でのワクチン接種においてデメリットよりメリットが、より大きいと考えられる優先度基準について以下に示します。

 

@ 喘息などの基礎疾患※※のあるお子様

A 普段から風邪をひくと咳嗽が長引くお子様

B 過去に風邪がこじれて入院歴のあるお子様

C 両親のどちらかがエッセンシャルワーカー※※※のお子様

D 祖父母と同居のお子様

E お子様が風邪の時に祖父母に預ける機会の多いお子様

 

などが考えられますので、

今後のマスコミ疫学情報にアンテナを張っていただき、小児・若年層がワクチンを受けるメリットとデメリットに関心を持っていただくことが重要です。既に8月10日には、日本小児科学会でも、5〜17歳のすべての小児に新型コロナワクチン接種が推奨(ここをクリック)」となり、新しい疫学情報に基づいて学会も動いております。

 

 

※「小児多系統炎症性症候群」では下痢、発熱、発疹などがみられ、心臓の動きが悪くなることがあるのが特徴です。

 

※※「基礎疾患」とは

•慢性の呼吸器の病気

•慢性の心臓病(高血圧を含む)

•慢性の腎臓病

•慢性の肝臓病(肝硬変等)

•インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病

•血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く)

•免疫の機能が低下する病気(治療や緩和ケアを受けている悪性腫瘍を含む)

•ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている

•免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患

•神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)

•染色体異常

•重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)

•睡眠時無呼吸症候群

•重い精神疾患(精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、

又は自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持している場合)

•基準(BMI30以上)を満たす肥満の方

 

※※※「エッセンシャルワーカー」とは

<医療>

 医師、看護師、薬剤師のほか、医療機器メーカーの輸入・製造、患者の治療に必要な物資の製造やサービスに関わる職種

<介護・福祉>

ホームヘルパー、介護福祉士など介護関連職、保育士、学童保育職員など、高齢者や障害者、園児・児童に必要な物資の製造やサービスに関わる職種

<教育>

 教員、幼稚園教諭、学習塾講師など、小・中・高・大学、幼稚園、学習塾などで働く職種

<生活インフラ>

 配管工、電気技師など電力、ガス、水道、通信に関わる職種、ゴミ収集員、ガソリンスタンドスタッフ、公共工事職員など

<運輸(交通)・物流>

 公共交通機関の職員、トラック運転手、荷物の運送スタッフ、郵便物配送員など

<小売・販売>

スーパー、ドラッグストア、コンビニ、ホームセンターなど生活必需品を扱う店舗スタッフ、生活必需品の輸入や製造、加工などに関わる職種

<金融>

 銀行員、信用金庫職員、保険会社職員、クレジットカード会社職員など

1次産業>

 農業・林業・漁業に関わる職種、飲食料品の輸入や製造、加工、流通などに関わる職種

<冠婚葬祭>

 葬式・火葬場職員、ブライダルに関わる職種

<メディア・マスコミ>

テレビ、ラジオ、新聞、インターネットなど情報発信に関わる職種

<メンテナンス・セキュリティ>

ビルメンテナンススタッフ、セキュリティに関わる職種

<公務員>

 市区町村役所職員、警察官、消防士など国家の安全や維持に関わる職種

<サービス>

ホテルや旅館などの宿泊施設、銭湯、コインランドリーや動物病院スタッフなど

<参考資料>

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」

 

 

 

 

 

かじがや小児クリニック

 

 

 

 

 

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