ヒト骨髄性白血病細胞(HL-60-Y3)における分化自己誘導

 

梶ケ谷保彦

 

横浜市立大学医学部小児科学教室

 

      緒    言

  マウス白血病細胞では、1982年にMetcalf and Nicolaによりマウス骨髄単球性白血病細胞WEHI-3Bにおける分化自己誘導現象が報告された1。すなわち培養皿内のWEHI-3B細胞由来コロニー数が増加するに従い、分化型コロニーの割合が増加する現象を見いだした。さらにWEHI-3B細胞培養上清の分析結果より、分子量約1.5万の分化自己誘導因子が産生されていることが示され、この分化自己誘導因子はinterleukin-3(以下IL-3)、顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony-stimulating factor、以下G-CSF)とは異なる液性因子であることが報告されている2 3。一方、WEHI-3B細胞の分化誘導因子であることが判明しているG-CSF4 5による白血病細胞の分化は、その直接作用ではなく、二次的な分化自己誘導の結果であることも報告され6、白血病細胞の分化・増殖機構における分化自己誘導の役割も明らかにされつつある。このようにマウス骨髄性白血病細胞での分化自己誘導については検討がこれまでになされてきたが、ヒト骨髄性白血病細胞においては分化自己誘導に関する報告はなく、普遍性の存在が問題となっている。

  ヒト骨髄性白血病細胞無血清・無蛋白培養株HL-60-Y3細胞は血清および蛋白を含まない完全合成培地にて増殖可能な細胞株で、血清に含まれる液性因子の影響を除外した研究に有用とされている7。今回、著者は無血清軟寒天培養系を用いて血清による白血病細胞の分化への影響を除外して、HL-60-Y3における分化自己誘導について厳密に検討したので報告する。

 

      材料および方法

  1.細胞とその培養

  無血清・無蛋白培養株であるHL-60-Y3細胞7は、血清、蛋白および脂質を含まない完全合成培地のHam's F-12培養液(Flow  Laboratory)にて2年以上継代されている細胞株で、培養液を3日毎に交換することによって継代維持された。培養は37℃、5%CO2を含む培養器の中で行われた。3日後に培養上清(HL-60-Y3 conditioned medium, 以下Y3CM)を採取した。

  2.無血清軟寒天コロニー形成法

  著者はすでに、無血清軟寒天培養条件下でHL-60-Y3細胞がコロニーを形成することを報告した7。今回は、 1%ウシ血清アルブミン(bovine serum albumin、以下BSA、

 fatty acid free、Sigma Chemical Co.)8、 0.3%精製寒天(Difco Lab.)を含むF-12培養液1.0mlにHL-60-Y3細胞を浮遊させ、35mm培養皿(Lux, 5217)に分注し、ゲル化ののち 37℃、5%CO2の条件下にて培養した。

  3.単細胞由来コロニーの証明

  上記無血清培養条件下で一つの培養皿にHL-60-Y3細胞を100個浮遊させ、ゲル化ののち細胞の位置をMetcalfの方法9に準じ、倒立顕微鏡下にて確認し、7日目、14日目、21日目、28日目に形成された細胞集団の位置をグラフ上に記載した。

  4.培養皿内のコロニー数増加に伴う拡散型コロニー数の変動

  上記無血清培養条件下で培養皿内のHL-60-Y3の細胞数を段階的に増加させ、コロニー形成を倒立顕微鏡にて観察した。40個以上の細胞集団をコロニーとして算定し、コロニー形態についてはMetcalfの判定基準10に従い、拡散型コロニーおよび集塊型コロニーの算定を行った。

  5.二次性コロニー形成能に関する検討

  軟寒天内のコロニーを倒立顕微鏡下で5μ*のEppendorf pipetを用いてつりあげ、再び細胞浮遊液として上記無血清軟寒天培養系に添加しゲル化ののち37℃、5%CO2の条件下にて培養し、二次性コロニー形成について検討した。

  6.細胞の限界希釈法による単細胞培養

  コロニー間の影響を除外するために、HL-60-Y3細胞浮遊液をF-12培養液にて1細胞/mlまで希釈し、精製寒天を0.3%の濃度にて添加し、96-microwell plate(Nunc)に0.2mlずつ分注した。さらに自己培養上清がHL-60-Y3細胞の分化に及ぼす影響を検討するために上記培養条件にY3CMを30%の濃度にて添加し、0.2mlずつ分注した。ゲル化ののち倒立顕微鏡下にて各microwellに2個以上の細胞が存在しないことを確かめた後に37℃、5%CO2の条件下にて培養し、コロニー形成について検討した。Y3CM無添加にて培養したものを対照とした。

  7.コロニー構成細胞の形態学的検討

  コロニー構成細胞の形態学的検討は、orcein染色、esterase染色、Biebrich scarlet染色およびtoluidine blue染色により行った。すなわち、軟寒天内コロニーを 5μ*のEppendorf pipetにてつりあげ、スライドグラス上にふきだしorcein染色した。又、Kubotaらの方法11に従い寒天ごと乾燥後、α-naphthyl butyrate esterase、naphthol ASD-chloroacetate esteraseおよびBiebrichscarletによる三重染色またはtoluidine blue染色を行った。

       結    果

  1.単細胞由来コロニー形成の証明(Table 1)

  28日目まで計200個のHL-60-Y3細胞からのコロニー形成を観察し、形成された42個のすべてのコロニーが単細胞由来であることが示された。

  2.培養皿内のコロニー増加がHL-60-Y3細胞の分化に及ぼす影響(Table 2、Figure 1)

  培養24日目には、培養皿内のHL-60-Y3由来コロニー数が100個以下の場合には集塊型コロニーの形成のみが観察されたが、培養皿内のコロニー数が増加するとともに、拡散型コロニー形成が促進され、500個以上では、90%以上のコロニーが拡散型コロニーを形成した。

  3.コロニー構成細胞の形態学的検討(Figure 2,3,Table 3)

  orcein染色によるコロニー構成細胞の検討では、集塊型コロニーは芽球様細胞より構成されているのに対し、拡散型コロニーでは、その中心部より周辺にいくに従い、分化の程度が強くみられ成熟単球様細胞への分化傾向が観察された。estaraseおよびBiebrich

 scarletによる三重染色による検討では、集塊型コロニーに比し、拡散型コロニーでは、butyrate esterase陽性コロニーの割合の増加および、その染色性の増強傾向が認められた。またbutyrate esterase陽性コロニーでは、NaFによる阻害傾向が認められた。

 Biebrich scarlet染色陽性コロニー、 toluidineblue染色陽性コロニーは認められなかった。

  4.二次性コロニー形成能についての検討(Table 4)

  集塊型コロニーでは、1個のコロニーより100個以上の二次性コロニーの形成がみられるのに対し、拡散型コロニーでは、1個のコロニーより二次性コロニー形成が10個以下で、拡散型コロニーでは著明な二次性コロニー形成能の低下が認められた。

  5.単細胞培養によるHL-60-Y3細胞培養上清中の分化自己誘導活性の検討(Table 5)

  コロニー間の影響を除外するために、限界希釈法を用いた単細胞培養を行った。自己培養上清であるY3CMを30%添加することにより、培養24日目には無添加対照では、分化型コロニーがみられないのに対し、添加群では40%以上の分化型コロニー形成が認められた。

 

       考    按

  Metcalf and Nicola1によりマウス骨髄単球性白血病細胞WEHI-3Bにおける分化自己誘導現象が、1982年に報告された。すなわち培養皿内のWEHI-3B細胞由来コロニー数が増加するに従い、分化型コロニーの割合が増加する現象を見いだした。さらに

 KajigayaらはWEHI-3B細胞培養上清の分析結果より、分子量約1.5万の分化自己誘導因子が産生されていることを示している2 3。一方、WEHI-3B細胞はG-CSFにより分化を誘導されることが報告されたが4 5、現在では、培養細胞濃度の低い条件による検討や無血清培養による検討よりG-CSFによるWEHI-3B細胞の分化誘導は、その直接作用ではなく、二次的な分化自己誘導の結果であることが示されており6 12、分化誘導因子による分化誘導機構における分化自己誘導の役割が明らかにされつつある。このようにマウス骨髄性白血病細胞での分化自己誘導については検討がなされてきたが、ヒト骨髄性白血病細胞においては分化自己誘導に関する報告はなく、その普遍性が問題となっている。

  ヒト骨髄性白血病細胞HL-60は、当初、急性前骨髄性白血病患者由来細胞株と報告されたが13、1988年にDaltonらは15;17転座がみられないことに加え、光顕所見、電顕所見を再検討した結果、FAB分類M3由来ではなく、M2由来であることを報告している14。一方、この細胞株は分化誘導の実験系では、dimethyl sulfoxideにより成熟顆粒球様細胞に15、12-ο-tetradecanoyl-phorbol-13-acetateにより単球・マクロファージ様細胞に16、alkaline mediaにより好酸球様細胞に17、sodium butyrateにより好塩基球様細胞に18分化を誘導されることが示され、多能性の性格を有することが報告されている。従ってこの細胞はヒト骨髄性白血病細胞の分化・増殖機構の解析に利用され、これまでに多数の報告が集積されている19。

  通常、培養株化細胞は、その継代維持にFCSなどの血清を含む培養液が必要である。HL-60細胞は血清を含む培養系では、一部の細胞が自発的に分化していることが報告1319されており、これは血清の影響によるものと考えられている。したがって無血清の培養系による検討により血清の細胞分化への影響を可能なかぎり除外することが必要と考えられる。

  HL-60-Y3細胞は血清、蛋白および脂質を含まない完全合成培地にて増殖可能なHL-60細胞の亜株で、血清に含まれる液性因子の影響を除外した研究に有用とされている7。HL-60-Y3細胞はBSA(fraction *)存在下の無血清軟寒天培養系にてコロニーを形成することが報告されている。今回は、より精製度の高いfatty acid freeのBSA8を用いた培養系で検討した。

  今回、グラフ上に経時的に細胞およびコロニーの形成された位置を確認する検討より、HL-60-Y3由来のコロニーは単細胞由来であることが示された。培養皿内のコロニー数が増加するにつれて拡散型コロニーの割合が増加することが示され、orcein染色によるコロニー構成細胞の形態学的検討では、集塊型コロニーの構成細胞が芽球様であるのに対し、拡散型コロニーの構成細胞は主として成熟単球様細胞への分化を認めた。esteraseおよびBiebrich scarletによる三重染色の検討結果では、集塊型コロニーに比し、拡散型コロニーでは、NaFにより阻害傾向のみられる butyrate esterase陽性コロニーの割合の増加およびその染色性の増強がみられた。二次性コロニー形成能の検討では、集塊型コロニーに比して、拡散型コロニーの二次性コロニー形成能の著明な低下が認められた。以上よりHL-60-Y3細胞による分化自己誘導の存在が示された。

  WEHI-3B細胞では、自己培養上清の分析結果より、分化自己誘導は、分子量約

 1.5万の分化自己誘導因子によることが示されている。この分化自己誘導因子はIL-3,G-CSF, tumor necrosis factor, leukemia inhivitory factorなどとは異なる液性因子であることが報告されている2 3。一方、分化自己誘導因子とは別に、IL-3による増殖自己刺激の存在も示されており、WEHI-3B細胞では、分化自己誘導因子による自己に対する系と、IL-3による増殖自己刺激の系の2つの自己に対する分化増殖機構の存在が示唆されている。HL-60細胞においても、Perkinsら20によりHL-60細胞により自己の分化ではなく増殖を刺激する分子量2.5万の増殖自己刺激因子の産生が報告されている。今回、HL-60-Y3細胞の限界希釈を用いた単細胞培養によるコロニー間の影響を除外した培養系では、自己培養上清を添加することにより、分化型のコロニー形成が誘導されることが示され、HL-60-Y3細胞による分化自己誘導因子の産生が示唆された。従って、HL-60細胞においてもWEHI-3B細胞と同様に、分化自己誘導因子による系と、増殖自己刺激因子による系の2つの自己に対する分化増殖機構の存在が示唆されるものと思われる。今後、これらの液性因子の異同、さらには既知のサイトカインとの異同についての検討が必要であると思われる。 以上の著者が示した実験成績よりWEHI-3B細胞と同様に、ヒト骨髄性白血病細胞HL-60-Y3でも分化自己誘導現象の存在およびこの現象が液性因子を介することが示唆され、分化自己誘導現象は比較的、生物学的に普遍性のある現象であると考えられた。今後はこれまでに報告19されている各種分化誘導因子によるHL-60細胞の分化における分化自己誘導の役割を明らかにすることも研究課題と考えられる。したがって、骨髄性白血病細胞の分化誘導機構における一つの機序としての分化自己誘導を解明することは骨髄性白血病細胞の分化・増殖機構を考える上に有意義であると考えられる。

       結    語

  無血清軟寒天培養系を用いて、ヒト骨髄性白血病細胞HL-60-Y3における分化自己誘導について検討した。

  1.グラフ上に経時的に細胞およびコロニーの形成された位置を確認する検討結果より、HL-60-Y3由来コロニーは単細胞由来であることが示された。

  2.培養皿内のHL-60-Y3由来コロニー数が増加するに従い、分化型コロニーの割合の増加が観察され、分化自己誘導現象の存在が示された。

  3.分化型コロニーの構成細胞は成熟単球様細胞で、NaFにより阻害傾向のみられる

 butyrate esterase陽性コロニーの増加およびその染色性の増強傾向を認めた。未分化型コロニーに比し、分化型コロニーでは、二次性コロニー形成能の著明な低下が認められた。 4.コロニー間の影響を除外した単細胞培養系による検討より、自己培養上清中に分化自己誘導因子の存在が示唆された。

 

  謝辞:稿を終えるにあたり、御指導御校閲を賜った横浜市立大学医学部小児科学教室松山秀介教授に心より感謝致します。また、御助言、御協力頂いた同教室佐々木秀樹講師、生田孝一郎助手に深謝致します。なお、本論文の要旨は第51回日本血液学会総会(平成元年4月6日,前橋)にて発表した。

 

      文    献

 1)Metcalf D,Nicola NA:Autoinduction of diffentiation in WEHI-3B leukemia cells. Int J Cancer 30:773-780,1982.

 2)Kajigaya Y,Ikuta K,Sasaki H,Koiso Y, Funabuki T,Matsuyama S:The production  of differentiation-autoinducing activity by WEHI-3B D+ leukemia cells.  Exp Hematol 17:368-373,1989.

 3)梶ケ谷保彦,生田孝一郎,佐々木秀樹,小磯良孝,船曳哲典,松山秀介:マウス骨髄単球性白血病細胞(WEHI-3B)による分化自己誘導.日血会誌 51:576-581,1988.

 4)Nicola NA,Metcalf D,Matsumoto M, Johnson GR:Purification of a factor inducing differentiation in murine myelomonocytic leukemia cells: Identification as granulocyte colony-stimulating factor.J Biol Chem 258: 9017-9023,1983.

 5)Souza LM,Boone TC,Gabrilove J,Lai PH,Zsebo KM,Murdock DC,Chazin VR,Bruszewski J,Lu H,Chen KK,Barendt J,Platzer E,Moore MAS,Mertelsmann R,Welte K:Recombinant human granulocyte  colony-stimulating factor: Effect on    normal and leukemic myeloid cells. Science 232:61-65,1986.

 6)梶ケ谷保彦,佐々木秀樹,生田孝一郎,松山秀介:純化遺伝子組換え型ヒト造血因子に対するマウス骨髄単球性白血病細胞(WEHI-3B-Y1)のclonal response: 無血清培養による検討.日血会誌 52:1989 (in press).

 7)梶ケ谷保彦,生田孝一郎,佐々木秀樹,小磯良孝,船曳哲典,甲斐純夫,松山秀介:ヒト骨髄性白血病無蛋白培養株(HL-60-Y3)の樹立とその多能性の性状.医学のあゆみ 146:69-70,1988.

 8)Chen RF: Removal of fatty acids from serum albumin by charcoal treatment. J  Biol Chem 242:173-181,1967.

 9)Metcalf D:The hemopoietic colony stimulating factors. pp. 151-171, Elsevier, Amsterdam, 1984.

 10)Metcalf D:Clonal analysis of the action of GM-CSF on the proliferation   and diffentiation of myelomonocytic leukemic cells. Int J Cancer 24:616-623,1979.

 11)Kubota K,Mizoguchi H,Miura Y,Suda T,Takaku F:A new technique for cytochemical examination of human hemopoietic cells grown in agar gel. Exp Hematol 8:339-344,1980.

 12)B*hmer RM,Burgess AW:Granulocytic colony-stimulating factor (G-CSF) dose  not induce differentiation of WEHI-3B(D+) cells but is required for the survival of the mature progeny. Int J Cancer 42:53-58,1988.

 13)Collins SJ,Gallo RC,Gallangher RE: Continuous growth and differentiation of human leukemic cells in suspension culture. Nature 270:347-349,1977.

 14)Dalton WT,Ahearn MJ,McCredie KB,Freireich EJ,Stass SA,Trujillo JM:HL-  60 cell line was derived from a patient  with FAB-M2 and not FAB-M3. Blood 71:242-247,1988.

 15)Collins S,Ruscetti F,Gallagher R,Gallo R: Terminal differentiation of human promyelocytic leukemia cells induced by dimethylsulfoxide and other  polar compounds. Proc Natl Acad Sci USA 75:2458-2462, 1978.

 16)Rovera G,Santoli D,Damsky C: Human promyelocytic leukemia cells in culture differentiate into macrophage-like cells when treated with phorbol diester. Proc Natl Acad Sci USA 76:2779-2783, 1979.

 17)Fischkoff S,Pollak A,Gleich G,Testa J, Misawa S,Reber T: Eosinophilic differentiation of the human promyelocytic leukemia cell line HL-60.  J Exp Med 160:179-196,1984.

 18)Hutt-Taylor SR,Harnish D,Richardson M, Ishizaka T,Denburg JA: Sodium butyrate and a T lymphocyte cell line-derived differentiation factor induce basophilic differentiation of the human promyelocytic leukemia cell line HL-60. Blood 71:209-215, 1988.

 19)Collins SJ:The HL-60 promyelocytic leukemia cell line: proliferation, differentiation,and cellular oncogene expression. Blood 70:1233-1244,1987.

 20)Perkins SL,Andreotti PE,Sinha SK,Wo M-C,Yunis AA: Human myeloid leukemic cell (HL-60) autostimulator: relationship to colony-stimulating factor. Cancer Res 44:5169-5175, 1984.

 

Autoindution of Differentiation in Human Myelocytic Leukemia Cells (HL-60-Y3)

 

Yasuhiko KAJIGAYA

 

Department of Pediatrics, Yokohama City University School of Medicine, Yokohama

 

 Key words: HL-60-Y3, differentiation, serum-free culture

 

    We conducted an exacting study on autoinduction of differentiation in human myelocytic leukemia cells (HL-60-Y3) in that the effects of serum cytodifferentiation were excluded by the use of a serum-free semisolid culture.  In the culture dish the HL-60-Y3 colony count per dish was kept at 100 or below, and only the formation of clumping-type colonies was observed in which the component cells were blastoids.  As the colony count increased, the formation of spreading-type colonies was promoted and when the HL-60-Y3 colony count reached a level of 500 per dish, more than 90% of the colonies formed were spreading-type colonies.  The main component cells of the spreading-type colonies were mature monocytoid cells and a tendency the reinforcing of staining by α-naphthyl butyrate esterase was observed.  Moreover, a marked reduction in the recloning ability was observed in differentiated colonies compared to undifferentiated colonies.  Based on these results, the autoinduction of differentiation by the human myelocytic leukemia cells themselves was demonstrated.  Furthermore, based on an investigation of a culture system excluding the effects of colony to colony interactions by using a single cell study, the presence of a differentiation autoinducing factor in a self-conditioned medium was suggested.

 

 

 

 

 

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